【ライブレポート】10/7(日)タビノエ -きこえる音、うかぶ風景-

2022年10月19日水曜日

TINÖRKS ライブレポート

t f B! P L

*この記事は以前自分の他のブログに投稿(2018年12月6日)していたものを一部修正加筆し転載しました 

10月に予定していた3つのライブが無事に終わりました。

東京が2本、大阪が1本、それぞれイベントのコンセプトが異なり、お客さんの層も違いましたが、TINÖRKSとして音の世界観をお届けできたと思っています。

お聞きいただいたみなさま、主催者様、関係者のみなさま、ありがとうございました。

そしてTINÖRKSのメンバーの雫、霜野さん、久々津さんいい演奏ありがとう。最高のメンバーとともに音楽ができて幸せでした。

※(今回のライブを乗り切れたのは素晴らしいメンバーのおかげです。彼らの人柄に幾度も助けられました。)

振り返りでライブレポートを書きます。経緯や当日思ったこと、感じたことできるだけ素直に。

【未来へ旅した音の余韻 ⅰ

まず10月7日(日)「タビノエ -きこえる音、うかぶ風景-」

タビノエのフライヤー

イベント内容はこちら


【会場】

会場は東京蔵前にあるBackpackers’ Japanが運営するゲストハウスNui.

「あらゆる境界線を越えて、人々が集える場所を。」

をコンセプトに掲げ世界中のバックパッカーが宿泊する場所として知られています。会場のインテリアは北欧にあるカフェのようでした。

すぐ近くに隅田川がありスカイツリーも見えます。

【出演することになったきっかけ

2017年12月2日orange plus musicを運営する石松豊さんからイベントの企画書が送られて来ました。

石松さんは以前に彼のサイトで

TINÖRKSの記事を書いていただいていたので、直接面識はなかったのですが、好意的にしていただいているなあという印象を持っていました。

企画書は会場候補や収支など具体的に記載されており、内容が面白そうでしたので、ぜひ出演させていただきたいと返信しました。

そこからメールで方向性について色々と意見交換をしました。2018年2月下旬には実際にNui.を訪れて会場の雰囲気を見せていただきました。そこからイメージを広げセットリストを決めました。

新曲「星のピアノ」を演奏するにあたって当初会場に常設のセミグランドピアノを使用させていただく予定でしたが、映像投影場所や客席配置の都合で使用が難しくなったため、ピアノ音源を搭載したキーボードを追加で一台持っていくことを決めました。

結果、大阪から東京まで車で行こうということになりました。新幹線での移動に比べて時間はかかりますが、機材がかなり積めるので、結果的には良かったです。ただし10時間(休憩込み)かかりましたが(笑)

vocal担当シズーキーのTW⬆️


ライブ告知してから予約が全然でしたが、本番が近づくにつれたくさんのメディアにも取り上げていただき、結果80人以上の来場者数があったとのことです。(チケットはsold out!)

(開場前からお客さんの長蛇の列が!ありがとうございます)

【ライブの様子】

第一線で活躍される[.que]さん、minamo & moskitooさんの見応えのあるパフォーマンスは言うまでもなく素晴らしく、また水色デザインさんの作り出す光の風景との融合はまさにタビノエならではの圧倒的な表現のクオリティを生み出していました。


[.que]さん

minamo & moskitooさん


TINÖRKSもNui.の雰囲気と演出との相乗効果を狙ってMCの時間をいつもより短く曲数を多くして臨みました。



【予定外の即興セッション】

そしてイベント最後に予定にはなかった出演者による即興セッションを無理言ってさせていただきました。

minamo & moskitooさんが演奏中、主催の石松さん、PAの大場さんとあらちゃんにその旨お伝えし、こころよく了承いただきました。

本番1週間前にTwitterにてそういうニュアンスのことをツイートしましたが、直前まで何の打ち合わせもなく機材セッティング中にKeyをGでお願いしますとなかなかの無茶振りというか単なるわがままだったかもしれません。

けれど、ライブというのは一期一会であり、今回の共演者がもう一度集まることもないかもしれないだろうし、お客さんも、スタッフの方も含めてこの時を一緒に共有できるのはこの瞬間だけなので、それを大切にしたいという熱い気持ちがありました。

(出演者による即興セッションの様子)

そして音楽というのはもっと原始的なもので、衝動的なものであり、不協和音も含めて音楽であり、不確実なものであるということを示したかった思いがあります。

とても偉そうなことを書いてますが、無名ないちミュージシャンがたわ言を言ってる程度で聞き流してください。

(実の所、アンコールで「Sinfonia」を予定していたのですが、ライブをやって普通にアンコールをやってというありきたりな予定調和にとても違和感があったのも大きな動機のひとつでした。Sinfoniaはまた別のライブで演奏できるので。

(忘れることのできない素晴らしい時間を共有させてもらえた全員に心から感謝しています)

【一期一会の風景】

タビノエの真意とは即興セッションがうまくいったかどうかは、観点をどこに置くかで
判断が難しいですが、みなさんがもし旅をするのならその時に見える風景はそれぞれに違うものであるし、それはポストカードや写真のように美しいものだけではなく、決して見たかった風景だけではないかもしれません。

もし海外なら文化の違いから、日本を強く意識せざるをえない風景に出会い、場合によっては心に何らかの痛みを感じるかもしれませんし、逆に心を完全に魅了されるかもしれない。

即興セッションの中で取り決めもなくいくつもの音が、同時に鳴らされた時の共鳴のような不協和音であったり、時々奇跡の響きにもなったり、「タビノエ」の真意は実はそういう所にあったのかなと思っています。

※(Nui.のバーテンダーさんがタビノエのために作ってくれたスペシャル・ドリンク「エルダーフラワー」と「Northern Breeze」どちらもアルコール、ノンアルコールの2 version。もちろん飲みましたよ!口の中にオーロラが広がりました)


タビノエを記憶の余韻として消化することよりも、音楽の余韻として自分の中で整理することはもう少し時間がかかりそうですが、「境界線を越える」というコンセプトを掲げるNui.で演奏させていただけたこと、とても光栄でしたし自分にとって大変意義のある時間を過ごすことができました。

主催者の石松さん、[.que]さん、minamo & moskitooさん、水色デザインさん、maki hayashidaさん、PAの大場さん、あらちゃん、Nui.のこまつざきさん、スタッフのみなさま、関係者のみなさま、本当にありがとうございました。心から感謝しています。

イベント後、TINÖRKSを応援してくださる方々から、たくさん暖かい言葉をいただけてほっとしましたが、それ以外の方の心には全く響かなかったのかなと深く落ち込んでいた所、後日、SNSで「良かったです」と感想をいただけたのがとてもうれしく救われた気持ちになりました。


(水色デザインさんによる映像演出。器を光に反射させて映像にレイヤーさせたり、花のシルエットを重ねたりする表現はまるでインスタレーションのようでした)


【set list

1. Quark

2. Fullerene

MC

3. Rigel

4. 星のピアノ

5. カリンバの森

MC

6. Corot

7. Komorebi


宇宙の始まりをイメージした「Quark」(クオーク)をライブのイントロ的な位置付けにし、「Fullerene」(フラーレン)は楽器がたくさん登場するので自己紹介的に。「Rigel」(リゲル)、新曲「星のピアノ」、「カリンバの森」の流れは、宇宙から夜空へ視線を戻すと森に入って行き、MCを挟んで「Corot」(コロー)で輪郭が淡くなる風景を。最後にKomorebi(コモレビ)で再び光になって夜空へと帰って行くイメージを意図しました。

(「カリンバの森」からツイン・カリンバ演奏の様子)

(タビノエに合わせてリリースした新譜EP「星のピアノ」ダウンロードカード。3曲収録 穏やかな星の物語


【意外なドミトリー】

人生ではじめてドミトリーに宿泊。それからライブとは関係ないですが、会場がゲストハウスということで、せっかくなので8人部屋のドミトリーに宿泊しました。

初めての経験でしたが、ベッドをはじめ、共有設備とも大変清潔で何の不自由もなく快適に過ごせました。

同室の他宿泊者は全員外国の方でしたが、話そうと思ってもなかなか目を合わせてもらえず、かつ、全員就寝時間が早かったので、イメージしていたドミトリーの雰囲気とまったく違っていました。

見知らぬ宿泊者同士「どこから来たの?」や「どこに旅するの?」とか「一緒に飲もうよ」とかある程度一緒に騒ぐイメージでしたが、全くそういうことはなく、フロア全体でも部屋は満室にも関わらず静まりかえっていました。

おそらく、全員マナー、礼儀を忠実に守っている良識ある旅行者だと思いますし、それに対して不満はないのですが、少しだけ寂しい気持ちになりました。

(ドミトリーとは実はそういうものなのかな。。。)


記事の写真は※がついていないものはすべてカメラマンの清水舞さんに撮影していただきました


主催者の石松さんによるイベントレポート。ぜひお読み下さい!


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ほせい



プロフィール

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横檬 龍彦(ヨコモタツヒコ) 音樂評論家 「すべての作品はそれが存在している時点で評論される価値がある」 世界丸音普及協会理事長 著書「なつかしくてあたらしいひびき」 「まるいおとのつくり方」(絶版) *これはすべてフィクションであり横檬は建水歩星の評論家としての名前である。なお記事内で両者は区別される

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