【動画】【Live Session】森のページ

2023年5月6日土曜日

演奏動画 - TINÖRKS

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TINÖRKSの新曲『森のページ』ライブ・セッション動画を公開しました。

現在制作中の新譜に収録予定の本楽曲のライブアレンジ・バージョンになります。アルバム制作風景としては同楽曲のオルゴールの音色を弾いているものと『ぼくらのある世界』のショート動画をすでにupしていましたが、今回はフルサイズのものになります。

【聞きどころ】

絵本のような詩の世界に少しダークな音の雰囲気でアレンジしました。

生楽器と電子音が穏やかに融合したTINÖRKSならではのエレクトロニカを表現できたと思います。

Digitaktを使ってワルツの3/4拍子でリズムトラックを制作し、それをベースにオルゴールやエレクトリックピアノ(以降エレピ)の音、LoFiな電子音を織り交ぜながら展開を作っていきました。

新譜に収録予定のバージョンはメロディオン(鍵盤ハーモニカ)とメタロフォン(小型の鉄琴)のフレーズは入れていないので、ライブ・セッションならではのアレンジをしています。(そのアレンジが思ったよりもいいので音源にも追加するか迷い中です(笑)

今回、新しい試みとしては、ヴォーカルの雫の手元にkaoss pad mini(カオスパッドミニ)を設置し、僕がmicrosampler(マイクロサンプラー)で演奏しているエレピの音をリアルタイムにエフェクトしてもらいました。

エフェクトの種類はNo.74のGrain shifter(グレインシフター)を使っていて、入力音を短い間隔で連続させるという効果があります。

例えばエレピの音しか鳴っていない映像の00:07あたりで、ふわふわと聞こえる様子がそのエフェクトの特徴です。

演奏者として、自分が弾いている音のエフェクトを自分以外の人に任せるというのは、結構勇気がいることなんですが(笑)、雫の感性で音を変化させてもらうことで、偶発的な表現ができるかなということを意図しました。

実際にやってみると、結果見た目や表現に面白さが出せたのでうまくいったと思っています。

【あくまでライブとして】

撮影中、外音は出ていなくて、メンバー二人ともイヤホンでモニターをしながら通しで演奏をしました。メインの映像と音は別撮りではなくきちんと演奏をしてその音をMTR(レコーダー)に録音して、映像に合わせています。

オーディエンスはいませんが、あくまでライブとしてパフォーマンスをしました。

定点で撮影したメイン映像とは別に手元にズームしたものを分けて撮影。音声はlogic pro xでマスタリングまで行ったものを、FCPX(ファイナルカットプロエックス)に読み込み、LUTをあててカラーグレーディング(色調調整)をしました。

TINÖRKSの楽曲は基本的に輪郭の丸い、穏やかな雰囲気なので、映像の質感もコントラストや彩度を強くせず、木が印象的なカフェの店内のようなやわらかな感じが出るようにしています。

【歌詞&クレジット】

眠るまえ
夢のほとり
ふわふわと
歩いて ういて

こうして夜がきこえる
だれもしらない
ページからはみでる森
夜をにがして

まもなくして
風がはなした
街からとおく
ささやく声で

眠りにおちてく海
君をもたらして
水がほつれないように
何をわすれよう

こうして夜に
消えていくかもしれない
ページからぬけだす森
夜をいやして


Shizuku Kawahara:Vocal/Melodion/Metallophon/Kaoss pad mini

Hosei Tatemizu:keyboard

written by Hosei Tatemizu

Directed,mixed and mastering by Hosei Tatemizu

【使用機材】

*マニアックな内容なので読み飛ばしてください

今回使用した楽器・機材は

Mic

・SHURE BETA58A

楽器

・メロディオンSUZUKI PRO-37/メタロフォン/KORG microsampler

エフェクター

・KORG kaoss pad mini

コントローラー

・KORG microKONTROL(サスティンペダル用)

ミキサー

・makie VLZ-804

レコーダー

・zoom R8

ヘッドフォンアンプ

・ベリンガー micro amp HA400  

鍵盤ハーモニカの下にあるのがベリンガーmicro amp HA400
zoom R8に入力したマイク、楽器の音とオケの音を演奏者のイヤホンでモニター

microsamplerにはサスティンペダル端子がついていないので、microKONTROLにサスティンペダルを接続しそれをMIDIでキーボードに送信しています。

(*右下隅に見切れて写っているのがmicroKONTROL)

あまり知られていませんが(需要がないだけですが(笑)、この方法はペダル端子のないシンセにはけっこう便利なやり方です。

【機材配線】

*さらにマニアックな内容なので読み飛ばしてください

音声の録音に関して、PCベースのDAWは使用せずMTRに雫と自分のトラックを分けて(パラ録り)2chでレコーディングしました。

ちなみにR8は8トラック同時再生なので、7/8のステレオトラックに事前にオケを仕込んで、それに同期しながら二人で演奏をしています。(TINÖRKSの通常のライブスタイル)

なぜわざわざMTRを使ったのかというと、以前、撮影した『森のはじまり』や『Kaamos』(カーモス 極夜の意)のライブセッション動画の際は、部屋の機材配置の関係もあって、iMacの位置を動かしてlogic pro xにレコーディングしましたが、現在は部屋の機材配置・配線を理想通り綿密に行ったので、バラすのがかなり困難になっているので、MTRを使うことにしました。

レコーダーのzoom R8は同時録音が最大2チャンネルなので、メンバー二人だとちょうどだったのでよかったです。

【機材配線図】

*よりマニアックな内容なので読み飛ばしてください

マニアックかつ手書き(笑)で見づらいかもですが、ポイントを解説します。

・ポイント①
ミキサーVLZ-804は2バス使用なので、キーボードの音をMain Outから、マイクの音をALT OUTからそれぞれモノラルで出力しzoom R8(レコーダー)に入力しています。

キーボードの音をMain Outから出力しているのは、AUX Sendでカオスパッドミニに信号を送るからです。ミキサーのALT OUTに設定しているチャンネルだどAUX Sendに信号を送れません。

・ポイント②
カオスパッドミニから出力した音をミキサーの通常のチャンネルに入力しました。通常はAUX Sendの返りの音はAUX Return端子に返しますが、通常のチャンネルに返すとカオスパッドミニでエフェクトした音をEQで調整できるからです。この時はLow(低域)を少しカットしました。

【思ったこと】

自分たちだけできちんと演奏(ライブで)をして同時に撮影もするのは、改めて大変でした。以前に自分で撮影した演奏動画はほぼ定点カメラだけだったのと、機材のセッティングがそれほど負担ではなかったですが、今回のように手元をupして分けて撮影するのはけっこう時間がかかるし、集中力もいりました。

それでも大変だった分、やりがいや発見、気づきがあったし、いい映像作品が作れて結果は良かったです。

これからもライブセッション動画を撮影していく予定ですので、またよかったらご覧ください。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

建水


プロフィール

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横檬 龍彦(ヨコモタツヒコ) 音樂評論家 「すべての作品はそれが存在している時点で評論される価値がある」 世界丸音普及協会理事長 著書「なつかしくてあたらしいひびき」 「まるいおとのつくり方」(絶版) *これはすべてフィクションであり横檬は建水歩星の評論家としての名前である。なお記事内で両者は区別される

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