TINÖRKSの新しい試み
🍃The Story of Leaves🍃プロジェクト
『Hotori No Tokini(Live Session)』を制作しました。
(辺(ほとり)の時に)
いつものエレクトロニカとは違うLoFiな質感が心地いいダウンビートのChill Hop
ジャンルの特徴を踏まえつつTINÖRKSとしてのオリジナリティを入れて制作しました。
【The Story of Leaves】
曲解説に入る前に
新しいプロジェクト
🍃The Story of Leaves🍃とは??
TINÖRKS 枝葉の物語
メインの活動とは別にこれまでのやり方とは違った視点でバンドの面白さ、メンバーそれぞれの表現の可能性にフォーカス
実験的な要素を取り入れつつ、音を探りながら曲を制作するプロジェクト
ワクワクしながら色々なことにチャレンジ
【楽曲テーマ】
ジャンルは質感が粗く暖かい音、おだやかなビートが印象的なLo-Fi Chill Hop(ローファイ チル ホップ)
コンセプトは「自然の中で流れる清流のほとりで時間軸が異なる二人が過ごすひととき」をイメージ
「同じ場所で時間軸が異なる」ことを音楽と映像に取り入れ、それをライブセッションで実現させました。
清流のほとりの具体的なイメージは、自然を感じたい時によく訪れる奈良県天川村の風景があったかもしれません。
マイナスイオンを浴びながら浄化中〜 |
【使用機材】
- Sampler - Elektron Digitakt
- Keyboard - KORG microSAMPLER
- Effector - Hologram Microcosm
- Recorder - zoom R8
- DAW - Logic Pro X
- Video editing software - Final cut pro X
Digitakt(デジタクト) |
【音作り】
Lofi panda 3(ローファイに特化した音色がたくさん 生ピアノの音がとくにGood!) |
Lofi panda3からサンプリングしたドラム、ピアノ、ベース、シンセ、自分で演奏したウクレレのフレーズをDigitakt(デジタクト)に取り込んで、打ち込み、4小節のパターンを2つ作成。
ピアノはLofi panda3のプリセットを使いlogic pro x上でリフを作りました。ベースとシンセはDigitaktでフレーズを打ち込んでます。
ちなみにキックのグルーヴを補完して鳴るノイズはTINÖRKSでリリースしたレコード『MORINO HAJIMARI(森のはじまり)』からサンプリングしました(こだわり所!)。
2021年にダブプレートでリリース『MORINO HAJIMARI』 |
リズムは全体的にスイングさせた上で、キック、ベース、ハイハット等はタイミングをさらにずらしました。
音数少なく、ジャンル特有のよれたリズム(ジャストのタイミングではなく、ずれたリズム)が独特の心地よさを生んでいると思います。
機材操作をメンバーの雫(ヴォーカル、フルート等担当)に説明し、彼女自身で音(トラック)を抜き差し、変化させながら展開を考えてもらいました。
映像の中で時々、ハイハットを手動で鳴らしたり、ディレイをかけて変化させたりしているのが分かると思います。
個人的に雫は生楽器にだけ長けていると勝手な思い込みがあったので、ステップシーケンサー(音を配置した後、再生し変化させていく)が演奏の中心となるDigitaktの操作は厳しいかなと思っていました。
ですが、仕組みをすんなり理解して楽しみながらやっていたので、思わず自分もテンションがあがりキーボードを弾いて数時間セッションしました。
雫本人曰く、「ステップシーケンサーは数学ぽいから理解できる」らしいです。よく分かりませんが(笑)
(直感的ではないのか。。。汗;)
今回「雫がDigitaktで演奏できる」ということはとても大きな発見でしたし、まさにこのプロジェクトの意図するところでした!ヽ(*´∇`)ノ!
あくまで一般論としてですが、年齢が高くなるほど、新しいことに対して興味がなかったり、億劫(おっくう)になったりすると思います。(それが良い悪いという意味ではなく)
けれど、いくつになっても雫のように抵抗なく新しいことに触れワクワクできて、純粋に楽しめるのは幸せなことだなあとしみじみ思いました。(子供が新しいおもちゃを買ってもらえた時のような感じで機材を触ってた(笑)
【撮影について】
いつものようにその場で一緒に演奏したわけではなく、まずは雫がDigitaktで演奏する風景を録音、撮影。
その音を聞きながら自分がキーボードのアレンジを考え、別の日に同じ場所、テーブルを使って録音、撮影し、音と動画の素材をミックス、編集しました。
各カメラの役割は
全景的な構図→コンデジ
Digitakt接写→GoPro
上部から撮影→ミラーレス(レンズSEL35F18)
ジンバルで動的接写→ミラーレス(レンズSEL35F18) 別撮り
で使い分け。
(撮影用に使い勝手の良い三脚を準備した甲斐があったぞ!)
映像編集ソフト「Fina Cut Pro X」で編集作業 |
映像編集は素材が多いので、色彩の統一(カラーコレクション)が大変でしたが、毎度のことながら質感を調整するカラーグレーディングは面白くて、ついつい夜中まで作業をしていました。(完全に時間を忘れてた...)
音をかなりLoFiにしたかったので、映像もレトロで粗い感じにしようとLUT(色を変えるフィルター)をたくさん重ねました。結果、フィルムが焼けた感じ、質感が出せてよかったです。
【おわりに】
今回の曲は企画色が強く、音楽面でも即興的なライブ感が出ていて、これまでの作品と方向性が違い、だからこそ、気づきや発見がたくさんありました。
ビジュアル面も含めてLoFi Chill Hopの雰囲気が好きで、憧れがあったので、このプロジェクトで近いものを実現できたのと、自分の意図も盛り込めたので良かったです。
Digitaktのようなグルーヴボックスを使いつつ、違うメンバーが楽器で参加しライブ的なセッションでLoFi Chill Hopを演奏するスタイルは案外少ないと個人的には思っています。
これからも自分なりの視点を取り入れつつ、音楽を通して新しいことにチャレンジしていければと思います。
演奏や撮影で尽力してくれた雫に本当に感謝m(_ _)m
そして曲をお聞きいただいたみなさま、ありがとうございましたm(_ _)m
最後にここまでお読みいただきましてありがとうございました。
今後の作品もどうぞお楽しみに〜
ではでは〜
建水