【演奏動画】アンビエントノイズに漂って / Glo, The Polyphonic Whale

2024年2月26日月曜日

演奏動画 - solo 機材

t f B! P L


アイルランドのメーカーPhonicBloomの”Glo, The Polyphonic Whale(version 2)”のinfinite looperを使って即興で曲を作ってみました。

機材到着までは下記記事▼

https://tatelog.blogspot.com/2024/02/glo-polyphonic-whale.html

Gloには元々森や風などの環境音が入っているモードやリバーブ、グラニュラーサンプラーなどのエフェクターが入っています。

マイク(多分ステレオ)が内蔵されているので屋外に持ち出してその場の音を取り込んでループさせてという使い方が推奨?されているみたいです。(個人的見解)マニュアルにライブパフォーマンスでは推奨されないみたいな記述が書いてあったような。。。

瞑想するする時に鳴らす周波数のモードもあることから、やはりライブ向きの機材ではなく自分で楽しむアンビエントマシンのコンセプトと思われます。

なので今回曲を制作しましたがメーカーが意図しないような使い方かもしれません(多分そう)。でもそこをあえてライブパフォーマンス的に使ってみるというのも面白いと思ってトライしました。

▼制作した演奏動画
キーボードの上のハンカチは使った楽器を置くときに振動音が鳴らないようにするためです。

動画ではシンプルなセッティングに見えると思いますが、レコーディング→ミックス→マスタリングの工程を加味して少しイレギュラーなことをしています。

セッティング

-①コンデンサマイク(SE8)→ミキサー(Main out)→Glo(out)→オーディオインターフェイス

-②上記のミキサー(ALT out)→オーディオインターフェイス

-③キーボード(microSAMPLER)→オーディオインターフェイス

ループと素の音を分けてRec

Gloの内蔵マイクを使うとミュートができないのでコンデンサマイクをミキサー経由でGloに入力しました。(Gloには外部入力があります。これ便利!)

コンデンサマイク SE8

なぜかというとループを重ね終わってからキーボードを弾くとその時の打鍵音や周囲の音がGloの内蔵マイクを通して入力されてしまいその音もループされてしまうからです。音を重ね終わった後にミキサー側でミュートして余計な音が入らないようにしました。

-②上記のミキサー(ALT out)→オーディオインターフェイス これはちょっとしたテクニックなのですが、ミキサーのミュートボタンをONにするとALT Busから音を出すことができます。そしてALT Busはオーディオインタフェイスに接続。

つまり、通常はコンデンサマイクの音はGloへ入力されるのですが、マイクをミュートするとマイクの音はGloへは入力されず素の音がそのままオーディオインターフェイス経由でlogic pro xの別トラックへと入力されるわけです。

なので、曲の最後でコードを弾きながらspark shakerを演奏していますが、そのシェーカーの音はマイクで集音されているにも関わらずループされていないわけです。しかもGlo(ループのトラック)とは別でトラックをミックス処理できます。

マイネル スパークシェーカーSH18

キーボードの音はmonoでlogic pro xに録音しEQやコンプで下処理した後、DUALディレイをかけてステレオにしneunaberのクセの強いリバーブをセンドでかけて広がりを出してます。

リバーブの後にコンプをかましてリバーブの音色感を少し強めました。ルーパーの音がガチャガチャし過ぎたのでキーボードが入ったときに広がりと奥行きがより印象的にコントラストが強くなるような意図です。

ライブパフォーマンス的な意味あいではキーボードの音にリバーブをかけ録りするのもありだとは思うのですが、ミックスのやり易さを優先してEQもかけずにフラットな状態で録音しました。

モニターはSony MDR-7506ヘッドフォン(ミックスしやすくかなりお気に入り!)で行いました。撮影をミラーレス一眼Sony α6300+タムロンのレンズを使用してカメラには直接ヘッドフォンスプリッターからモニター音を入力しています(カメラ内蔵マイクは使用せず)。

理由は動画編集時、映像に録音と同じ音声が収録されているとFinal Cut Proで音声同期機能を使用できて便利だからです。(手動で映像と音声の同期を行うと時間がかかります。しかもシビア。。。)

使用楽器/ 機材


  • -Looper : Glo the Polyphonic Whale
  • -Keyboard : microSAMPLER(サスティンペダルはKORG padKONTROLからMIDI送信)
  • -Percussion : Spark Shaker SH16,SH18 / セミーヤ(Gloの横に吊っている) / 鈴 / Stomp Box / 小さなシンバル?(名称不明)
  • -Other : ウクレレFS-5 / メタロフォン(goldon) 
  • -Mixer : MACKIE 802VLZ
  • -Mic : SE8
  • -オーディオ I/F : FIREFACE UCX
  • -DAW : logic pro x

ストンプボックス プラグドでも接続できます


ドイツのgoldonの知育楽器メタロフォン 少しキーを変更することも可能。いい音色!


コンデンサマイクはGloの上部にセッティング。ヴィジュアルが大砲みたい

アレンジをどうしようか迷う

Gloのルーパーはひとつひとつの音に関して短い時間しか取り込めず、しかも取り込んだ後、ピッチを変化させてループする仕様です。またループは減衰型(ディケイが無限ではない)なので、徐々に重ねた音が消えていきます。それを踏まえた上で音楽として成立するようにあれこれ試しながら考えました。

実際演奏したもの特に前半は音がカオスになる時間帯もあってごちゃごちゃするので、キーボードの音が入ってからはカオスな状態の中で光が差し込むような、何もないところに道ができるような雰囲気にしようと思いました。

しかも密度の高いループの音と対照的に奥行きがあって広がりのある、音数が少なく論理的な雰囲気になるように。

ループの音がなぜか三連符に聞こえたので、それとグルーヴがあうようにキーボードのリズムをあわせました。ループで重ねた音はよくいえばポリリズムのような複雑さがあって面白く、大好きで影響を受けた2000年代初期の北欧エレクトロニカ例えばmumの初期の作品のグリッチ的なリズムトラックに通じるものを感じます。

"音色にこだわる"というのは自分が音楽を作る上でとても重要な要素なのですが、即興で音楽を作る場合でも演奏よりも"変な音作り"に重きを置いてしまう傾向があります。

例えばスパークシェーカーの底(ヘッドと反対面)を指で鳴らした時の「ポンッ」という電子音のような響きには愛おしさすら感じてしまうほど好きな音です。(もしも好きな音色をお互いに話しあう会があったら参加したい)

ということで、今回はGloを使った即興曲についてでした。

次回は声が入ったもう少し音楽的傾向が強い曲にトライしてみたいと思います。自然の中でフィールドレコーディング的に音を採取して楽曲の中に取り入れたり、アイデアを膨らませて自分の中のアンビエントな感覚を消化できればと思っています。

プロフィール

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横檬 龍彦(ヨコモタツヒコ) 音樂評論家 「すべての作品はそれが存在している時点で評論される価値がある」 世界丸音普及協会理事長 著書「なつかしくてあたらしいひびき」 「まるいおとのつくり方」(絶版) *これはすべてフィクションであり横檬は建水歩星の評論家としての名前である。なお記事内で両者は区別される

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